


紅杉宅料理(HONGSAN COOKING)は、台湾・新北市の紅杉有限公司が展開する冷凍惣菜ブランドです。30年にわたり半調理食品を手がけ、100店を超える飲食店との取引で培った味を、家庭の食卓へ届けています。 メニューは台湾料理から和食まで100種類以上。鮮度を守り、添加物を抑えるため、仕上げの加熱は家庭で行う設計にこだわっています。約10分でお店の味を楽しめる商品を通じ、「以料理療癒生活(料理で、暮らしを癒す)」を目指しています。 事業の柱はリピート購入です。さらに、本来のおいしさを引き出すには、解凍や加熱のコツを伝えることも欠かせません。会員とのコミュニケーションは、販促と商品体験の両方を支えています。 その接点に選んだのがLINEでした。友だち追加で初回送料無料、セール時の一斉配信で成果を上げる一方、友だちの増加に伴い、一人ひとりの状況に合った伝え方を模索し始めました。


メッセージを届けるべきタイミングは、多くの場合、お客様自身の行動によって決まります。同じ日でも、友だち追加したばかりの人、注文を終えた人、カートに商品を入れたまま離れた人が混在しています。紅杉宅料理が抱えていた課題は次の3つに集約され、いずれも配信数を増やすだけでは解決できないものでした。
これは日本のEC・D2C企業にも共通する悩みです。2023年6月のLINE公式アカウント料金プラン改定以降、一斉配信の通数はそのままコストに跳ね返るようになりました。「誰に、いつ、何を送るか」を絞り込む重要性は、日本でも一段と高まっています。

友だち追加から数日間は、初回購入につながりやすい一方で、会員の状態が最も目まぐるしく変わる時期でもあります。その日のうちに注文する人もいれば、1週間ほど様子を見る人もいる。前者に必要なのは調理方法などの案内、後者に必要なのは購入を後押しするひと言です。しかし一斉配信では両者を区別できず、手作業でセグメントを切り分けようにも、日々増える新規の友だちに追いつきません。
この見極めができないと、購入直後のお客様に再び販促が届いてしまう一方で、迷っているお客様には後押しが届かないままになります。
商品がカートに入った時点で、購入の意思はほぼ固まっています。ただし、この段階のコミュニケーションには相反する2つの条件があります。購入意欲が冷めないうちに決済画面へ呼び戻すスピード感と、しつこく感じさせて通知をオフにされないための頻度への配慮です。最適なタイミングは数日以内に訪れるため、あらかじめ決めた配信スケジュールでは捉えきれません。
送りすぎれば今後の反応を損ないかねず、何も送らなければ目前だった注文を逃してしまいます。
同じ会員でも、友だち追加した直後、商品が届いたとき、カートに商品を残したときでは、必要な情報がまったく異なります。追加直後には行動を促すひと言、商品到着後には写真つきの調理手順、カゴ落ち時には決済画面へすぐ戻れる導線。適した長さもトーンもチャネルも違うため、ひとつのやり方ですべてをカバーするのは困難です。
3つに共通するのは、判断の根拠が会員の行動にあり、送るタイミングを事前に配信カレンダーへ組み込めないという点です。紅杉宅料理が埋めたかったのは、まさにこのギャップでした。
Crescendo Labを導入してから、会員の振り分けやセグメントごとのコミュニケーションが、格段に精緻になりました。以前は広く一斉に送る配信が中心でしたが、今は購買行動や反応、会員の特性に合わせて細かくセグメントを分け、それぞれのお客様により合った内容を届けられています。マーケティング業務の効率が上がっただけでなく、キャンペーンの企画、会員育成、配信方針の方向性も明確になりました。
紅杉宅料理はまず、お客様が立ち止まりやすい場面を洗い出しました。友だち追加したもののまだ購入していない、商品は届いたが調理方法がわからない、カートに入れたまま決済していない。いずれもお客様との関係が途切れやすいポイントであり、同時に自動のシナリオ配信で対応できる場面です。
Crescendo LabのAIマーケティングプラットフォーム「MAAC」では、これを1枚のフローチャートとして直感的に組み立てられます。起点となるアクション(友だち追加、ページ閲覧、商品購入)を選び、待機時間を設定し、会員の行動で分岐させ、分岐ごとに送るメッセージを割り当てる。固定スケジュールの一斉配信に頼らず、場面ごとに最適なメッセージを届けられます。
チャネルは、LINE・SMS・メールを組み合わせています。LINEはシナリオ配信の約9割を担い、新規顧客の購入促進と日常的なコミュニケーションの要です。SMSは、すぐに行動してほしい場面での後押しに。メールは購入後とカゴ落ちのフローに組み込まれ、配信規模を拡大中です。
ポイントは、同じ会員に複数のチャネルで同時に送らないことです。まずLINEで届け、反応がないまま未購入の会員にだけSMSで引き継ぐ。購入済みの会員は、そもそも販促の対象から外れます。すべてのチャネルで全員に送る代わりに、必要な人へ、必要な順番で届ける。チャネルが増えても配信が膨らまない設計です。

「友だち追加」を押した瞬間は、お客様のブランドへの関心が最も高まっているときです。そこでこのシナリオでは、その場で購入を後押しする「初回送料無料」の特典を届けます。
設計の要は、その先の分岐にあります。3日経っても購入していない会員だけが第2弾のリマインドに進み、すでに注文した会員には販促が届きません。MAACによるこの自動判定は、一見すると単なる条件設定ですが、実はブランドの印象を大きく左右します。購入したばかりのお客様に重ねて売り込むことがなく、迷っているお客様には改めて検討するきっかけを届けられるからです。
成果も明確に表れました。ウェルカムメッセージのユニーク開封率は平均74.8%、ユニーククリック率は26.6%。受け取った新規顧客のおよそ4人に1人が、その場でリンクをクリックした計算です。従来の定期一斉配信と比べると、クリック率は約31.5倍に向上しました。
ウェルカムメッセージから3日経っても購入していない会員には、まずLINEで第2弾のリマインドが届きます。それでも注文がなければ、「セット商品の締切カウントダウン」をSMSでお知らせします。
ここでは2つのチャネルが役割を分担しています。LINEはブランドとの接点を保ちながら商品選びを楽しんでもらう役割、SMSは特典の締切間近など、すぐに行動してほしい場面での後押し役です。
MAACのSMS配信は、LINEの友だちでなくても届けられます。電話番号を登録し、受信に同意している会員であれば配信可能です。さらに紅杉宅料理は、購入後とカゴ落ちのフローにメール配信も組み込み、ブランドや商品についてより詳しい情報を伝えています。
カートに商品が入っていれば、購入まであと一歩。3つの場面のなかでも、最も取りこぼしたくない瞬間です。紅杉宅料理はまずLINEでリマインドを送り、中断した決済手続きへとお客様を呼び戻します。このステップのユニーククリック率は20%。決済画面を離れた会員の5人に1人が、再びリンクをクリックした計算です。従来の通常配信と比べると、クリック率は約16.2倍に達しました。
それでも購入に至らない会員には、SMSで改めてご案内します。カート内の商品が未決済であることを伝え、送料無料になる購入金額と専用リンクを添えます。この2通目からも、一定数のお客様がリンクをクリックして戻ってきています。
LINEとSMSの2段構えにより、1通目に反応がなかったお客様にも、もう一度購入のチャンスが生まれます。

シナリオ配信は、一度設定すれば終わりというものではありません。紅杉宅料理も「カゴ落ち」のシナリオで成果を確かめながら設計を変えてテストを重ね、自社に最適なやり方を探ってきました。
マーケティング担当者が成果から次の一手を見いだせるよう、Crescendo LabはMAACのシナリオ配信に加え、AIデータインサイトプラットフォーム「DAAC」で各シナリオの成果をノード単位まで分解します。どのメッセージがクリックされたか、会員がどのノードの後で止まったか、分岐が未購入の人をきちんと受け止めているか。細部まで見えるからこそ、次の改善を具体的なポイントに絞り込めます。メッセージの内容なのか、待機日数なのか、分岐の条件なのか。
変更後は、同じノードの反応とその後の行動が判断材料になります。数値の増減やバージョンごとの差、次に取るべき一手まで、すべてデータに基づいて判断できます。会員育成は一度きりの設定から、改善を積み重ねるサイクルへと変わりました。調整を重ねるたびに、シナリオは会員一人ひとりの実像に近づいていきます。
Crescendo Labを導入してから、会員の振り分けやセグメントごとのコミュニケーションが、格段に精緻になりました。以前は広く一斉に送る配信が中心でしたが、今は購買行動や反応、会員の特性に合わせて細かくセグメントを分け、それぞれのお客様により合った内容を届けられています。マーケティング業務の効率が上がっただけでなく、キャンペーンの企画、会員育成、配信方針の方向性も明確になりました。





